断続的なパーティー
11月24日~26日にProjectOHANA「その1ー演劇をやってみよう編ー」の本番がありました。
花ちゃんという友達が演出家で、誘われて10月から稽古などをして、11月末に本番がありました。本番のとき(25,26日だけ)に当日パンフレットやチラシに紛れ込ませて私の文章もお客さんに配りました。私の中では初めて経費で印刷された記念すべき文章です!ここにも投稿します。
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自己紹介したり、駅で待ち合わせしたり、歩いたり、声を出したり、追いかけっこしたり、話してみたり、休憩したり、ご飯食べたりしました。
花ちゃんにとってはプロジェクトかもしれないし、ある人にとっては稽古とその前後かもしれないし、ある人にとっては手伝いかもしれないです。
私はなんとなくパーティーをしている気分です。それは誰のお祝いでもないし、飾りつけもないんだけど、10月の初めから今まで、私にとっては断続的なパーティーでした。
花ちゃんと、花ちゃんが集めた人で始まりました。だから私たちの共通点はまず、花ちゃんでした。初めは花ちゃんを中心としてあいさつをして、会話をしました。
集まるたびに共通点を見つけたり、新しい二人の、新しい三人の、共有物をつくりました。会話をしたり、目を合わせたり、歌ったり、踊ったり、洋服を褒めたり、歩いたり、荷物を持ったり、笑ったり、黙ったり、そういうことをしていくうちにお互いのことを知りました。同じ場所にいて、そういうことを知りあうのって、私にとってはすごくパーティーです。
演出というのは、フランス語で置くことだと花ちゃんが言っていました。私は模様替えが好きで、これを部屋のどこに置いて、これはここにおいて、、、と考えるのが好きなので、置くことの楽しさは分かります。
けど花ちゃんはそれを人でします。それはすごい気を遣わないといけない仕事だと思います。花ちゃんは人を置くためにいろいろなことをしていました。まず実験と観察です。一人ずつよくよく観察している。それに人と人の間に何が起こっているかもよく観察する。あとは、スタートとストップを言う。予定を合わせたり、説明をしたりもする。
今日は本番の日だった。お客さんが来ました。暗いところでこうもりみたいにこっちを見ています。私は今までのパーティーが十分楽しかったので、今日は緊張したり、忙しなかったりして、少し居心地がわるかったです。
お客さんが来て、このパーティーには外があったことを思い出した!パーティーしていたことを白状しよう!本当はあなたも参加したかもしれないパーティー。
人が並んでいるとき、それは誰かが並べたからです。学校の集合写真も、軍隊パレードも、人気レストランも、電車の座席も。
並べられてできた集団は強力です。共通項は積み重なり、個々の差はならされるからです。並べられてできた集団は大きな人間です。善意も悪意も増幅し、ぐわんぐわん鳴って、周りの音が聞こえない!
大きな人間にはなりたくないです。もう私がすでに人間だからです。集団は小さな人たちの集まりでいられ続けたほうがいいです。個人というのを私の一番大きな単位にしておきたいです。集団はそれよりちいさい単位であるべきです。
花ちゃんが私に「演劇に関わって」と言ったとき、「急にやめてもいいし、嫌なことはなにもしなくていいよ」みたいなことも言っていました。全部のことは実は「急にやめてもいいし、嫌なことは何もしなくていい」んだけど、みんなこの言葉を省略したり隠したりしているので、花ちゃんがそう言ったとき、新鮮でした。
実際に、何人かやめた人がいます。無理に引き留めないのが花ちゃんの流儀のようです。花ちゃんの仕事は置くことで、並べることではないからだと思います。
一つの断続的なパーティーが明日とりあえず終わりそうです。だいたいの時間が心地よかったです。演劇をやってみてよかったです。もっと続いてもいいな、と思います。が私が望んでいるのは一つのパーティーをし続けることではなさそうです。例えば、私の仕事や、習い事や、アルバイトなどもそれぞれ断続的なパーティーにできるんじゃないかと思ってきました。
並べたり並べられたりしないようにしながら、共有物を見つけていけば、パーティーになることがわかりました。いろんなパーティーに顔を出すような生活を探したいと思いました。
よしのももこ
2023/11/24