わたしと災害3 コロナウイルス
2024年04月01日
わたしと災害 3コロナウイルス
大学3年生が終わったころの春にはもう日本での感染者も増えてきていた。私は帰省するたびに単発バイトをいくつかしていた。その春は大手町かどこかのなんとか省の単発バイトが時給も高かったので1日行った。国家公務員がすたすた通勤していた。
(通っていた大学は田んぼとか小麦畑とか山とか古墳とかを壊して建てているコンクリート大学だった。周りも大学の都合に合わせて整備している最中で大きな6車線道路が駅と大学の間に作られて、道路の両側は山と小麦畑と牛舎と学生マンションがあって、飲食店は数軒あった。
この光景はずっと慣れなかった。6車線道路と小麦畑との間の道を自転車漕いでいると体が膨張して爆発するんじゃないかという気分になった。深海魚が引きあげられると圧力で爆発するような感じというか、宇宙に放り投げ出されて重力がない感じというか。それが東京との差なのか、小麦畑と畑を壊して敷かれた6車線道路との差なのかはわからない。)
東京から戻ってきて大学付近の道を自転車でこいでいた。九州はまだ感染者が数名だった。道にも畑にも他に人がいなくて、春のいい天気だった。わたしの[疎開]のイメージはこんな感じだなと思った。